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上手く説明できるか分かりませんが
食品の暫定規制値(出荷制限の基準値)がなぜキロあたり500ベクレルと決まっているのか?というご質問がありましたので、調べてみました。ただ、さすがに私も一介の米屋ですので、その点についてはご配慮願います。お手柔らかに。

といいつつ、実は昨日紹介させて頂いたサイトのリンク先の資料には、記載されています。私の解釈に間違いがあるかもしれませんので、資料のリンク先を記載しておきます。

http://www.s.fpu.ac.jp/oka/
【岡敏弘 OKA Tosihiro】

http://www.s.fpu.ac.jp/oka/radiationriskbenefit.pdf
【「放射線リスク回避の簡単なリスク便益分析」(2011.7.10) 】

飲食物の放射性物質に関する暫定規制値は、詳しく言うと、

【放射性ヨウ素の暫定規制値】
飲料水 キロ300ベクレル
牛乳・乳製品 キロ300ベクレル
野菜(根菜・いも類を除く) キロ2000ベクレル

【放射性セシウムの暫定規制値】
飲料水 キロ200ベクレル
牛乳・乳製品 キロ200ベクレル
野菜類・穀類・肉玉子魚介類 キロ500ベクレル

です。

上記資料では、この暫定規制値ギリギリの放射性物質を含む食品を一年間食べた場合の年間被曝量も計算されていて、放射性ヨウ素による甲状腺被ばく(ヨウ素131だけでなく、ヨウ素132、ヨウ素133、ヨウ素134、ヨウ素135、テルル132からの被曝も考慮)は33.3ミリシーベルトを超えず、放射性セシウムによる全身被曝(セシウム134、セシウム137だけでなくストロンチウム89とストロンチウム90による被曝も考慮)が5ミリシーベルトを超えないという値であるそうです(半減期まで考慮にいれると値はそれぞれ更に低くなります。セシウムの場合は成人で3.2mSv。資料注7を参照ください)。

国際放射線防護委員会(ICRP)の1984年や1993年の提案にある、国による規制が正当化される緊急時の被曝の範囲は、最初の一年間だと、全身線量5~50mSv、個々の臓器50~500mSVとなっています。

放射性セシウムによる全身被曝の5mSv以下という設定は、ICRPの全身線量5~50mSvの一番低い値、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくの33.3mSv以下の設定は、ICRPの個々の臓器50~500mSVの一番低い値の3分の2程度を食品に割り当てたものに過ぎないようです。

(このセンテンスは個人的意見)ポイントは、ICRP提案の値の範囲は、国による規制が正当化される緊急時の被曝の範囲ですから、一番低い値(全身線量5mSV)よりも低い値まで(例えば3mSv)出荷制限で規制してしまうと、規制の正当性が国際的には、なくなってしまうことです。

更にポイントは、意外にも可能な限り低い値を設定してある暫定規制値ですが、といってこの規制値以下の被曝であれば安全であり、超えれば危険という目安で設定しているわけでもないという点です。規制によって損害を被ってしまう業者などに堂々と弁明ができるかどうかが目安の基準ですから。

では、放射能の被曝によるリスクはどれくらいなのかというのが、やはり注目すべき点であろうと思います。先日紹介させて頂いた中西準子先生や岡敏弘先生の環境リスク学の損失余命での比較が一番だろうと思います。

損失余命は、環境汚染や喫煙で、どれだけ寿命が縮むのか(本来あったはずの余命をどれだけ損失したのか)を算出した数値です。最初に表をご覧頂いたほうがイメージしやすいと思います。

http://www.nsc.go.jp/anzen/chihou/10/toujima.pdf
【リスクを比べよう サイエンス・ジャーナリスト東嶋和子】

上記PDFファイルの「日本における化学物質のリスクランキング」というページが損失余命で様々な環境リスクを比較した表です。この表は蒲生昌志先生を中心に岡敏弘先生・中西準子先生が作成したものです。

この表によれば、日本人の汚染で一番リスクが高いのは、喫煙:全死因(損失余命は数年~十数年)、2番目は喫煙:肺がん(損失余命370日)、3番目は受動喫煙:虚血性心疾患(損失余命120日)、4番目はディーゼル粒子(損失余命14日)といった状態です。

この表の作成年は確か2001年ですので、禁煙をした人の増加や飲食店での分煙、またはディーゼル規制などが今日まで進んでいますので、一概に比較はできませんが、大きな目安になると思います。

初めに紹介した岡敏弘先生の資料では、年間10mSvの全身被曝(おそらく外部被曝も内部被曝も入れてだと思います)のリスクを計算されています。

「子供に年間10mSvの被曝をさせることは、線形の仮定の下で、十数日~30日の損失余命を起こすことになる。数年続けば受動喫煙に匹敵するリスクである。この程度のリスクは、20~30年前なら問題にならなかっただろうが、文化レベルが上がって、子供の受動喫煙を避けるのが当たり前になった現在では、許容できないリスクであろう。」(資料7ページより抜粋)

ちなみに資料をご覧になると分かるのですが、27歳の成人ですと、年間10mSvの被曝で損失余命は5.1日から7.3日になっています。60歳だと0.8日から1.0日です。全年齢平均だと4.2日から4.7日。年間10mSvで、です。

資料によれば、年間1mSvの被曝でも全年齢平均で10万人中9人程度はガン死のリスクがあり、0から9歳の子供では10万人中30人のリスクであることも記載されています。

10万人中30人という数値が多いのか、少ないのかという点では意見が分かれそうですが、その30人にあたった場合は後悔してもしきれませんので、小さいお子さんのいるご家庭は、出来る限り用心したほうが良いと思います(そういったときは、武田邦彦先生を参考に!)。

ただ、上記資料を作成された岡敏弘先生でさえ、「食品安全委員会がいかに非論理的に現行の規制値を決めたとしても、費用と便益との考慮に基づいて、私は現行の規制値をおおむね支持する。しかし、現行の規制値よりも厳しい値は、費用と便益との考慮に基づいて支持できない。」と現在の食品の暫定規制値には肯定的であり、

また中西準子先生のHPでの『私は、週2日娘の家に手伝いに行っている。孫の相手をしたり、夕飯の仕度を手伝ったりする。3.11の時、上の子は4歳3ヶ月、下の子は1歳9ヶ月。ここでは、今でも北関東の野菜は禁止となっていて、私もそこにいる間はそのFood Codeを守っている。下の子は、トマトやイチゴのような少し酸味のあるものが好きで、かなりの量を食べるので、親もとても気にしている。買い物に出ると、京都産とか香川産とかの物を探してくるが、とてつもなく高いし、味は今いち。先日までは、肉はいいということになっていたが、今回のことで、さらに厳しくなっている。間違って買ってきたりすると、「悪いけど、持って帰って」となり、家に持ち帰って年寄りだけで食べる。この間は、粉ミルクは大丈夫かが議論になっていた。「あまり気にするな!」とは言うが、それ以上は踏み込まないことにしている。「避けること」と、「避けないこと」との差はあまりないのだが、手伝いに行っている者が、あまり理屈を言うのもねと思って。 』という記載も併記させて頂きます。

やっぱり科学者は冷たいね~と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あるリスクを限りなく0に近づけようとすると却って別のリスクが倍増することは、この世界では常識です。明日、そのことについては書いてみようかと思います。このことについては、私は非常に怒っているので暗い話題になると思います。

それと、リスクの低い大人が、限りなく放射能汚染が低い食品を買いだめするのは、やっぱダメよと。喫煙者は特に。今回のエントリーはこういった主張で終わらせて頂きます。
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【 2011/08/24 22:02 】

震災と原発関連 | コメント(4) | トラックバック(0) |
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コメント
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疫学からは、根拠ははわからないです。
これより低い値ではリスクは認められなかったのであって、認められてない=安全ではなく、
認められていない=わからない、です。



ちびママ * URL [編集] 【 2011/09/11 06:18 】
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ちびママさん。こんにちは。

環境リスク学が疫学かどうかは、逆にお聞きしたいのですが、親和性は高いでしょうね。

ただ、ゼロリスクはあり得ない話ですので、行動の指針となるような資料は提示したつもりですし、国もこういったことを参考に動くと思います。行政を動かすにしても、具体的な数字がないと動かないようですので、かなり役立つとは思います。
若旦那 * URL [編集] 【 2011/09/12 15:24 】
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若旦那さまのコメントで、やっとわかりました。
なるほど。

国は、ある程度の指針が必要なんですね。
そこが解らなかったです。
全体を考えると、どうしても基準が必要になってくる。
「安全」基準と、私が勝手に思い込んでいたとわかりました。だから、何故、安全の基準がこれなんだろう?と。「安全」ではないよね?と。だから、噛み合わなかったのです。

しかも何でも答えてくれる若旦那さまに、あまえていたと思います。
若旦那さまのペースも、立場も理解せねばなりません。


長々とお付き合いいただき、感謝と、申し訳ない気持ちです。
私としては、1つ理解でき、ありがたいことです。
ちびママ * URL [編集] 【 2011/09/18 03:27 】
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福島第一由来の放射性物質を全部除染できればいいのですが、それだと軽く国家予算(一般会計)を超えてしまうそうです。

チェルノブイリのあるウクライナは、実はあれから原発の建設が進み、現在世界で6~7位の原発保有国です。それで作った電気を他国に売っています。自国では節電して。

地震の無い国ですので、福島第一のようにはならないそうですが、それでもそんな国のように日本になってもらいたくない。

ウクライナも国内産業が活発であれば、こういった状況にならなかったのかもしれません。

今後の日本は放射性物質に対する安全性を高めながらも、産業も維持していかなくてはなりませんから、かなり現実的な選択を迫られることになりそうです。

ですので、行政を動かすにもポイントを絞ることが必要になってくると思います。幸い学校の除染は、かなり力を入れることが決まっています。

環境リスク学はリスクに関するお金のやりくりの学問ですから、かなり行政を説得しやすい内容だと思いますし、実質の危険性の比較にも役立ちます。今後の動きに注目しています。

若旦那 * URL [編集] 【 2011/09/20 21:58 】
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